正しい手洗いできていますか? 正しい手洗いできていますか?

皆さんは一日に何回手洗いをしていますか?
ご飯を食べる前、トイレの後、外出から帰った時、きちんと手を洗う人もいれば、見た目に汚れが無い限り、洗わないという人も。洗い方も、毎回ハンドソープをつけてしっかり洗う人もいれば、水で数秒流すだけの人もいます。
手洗いは、どんな時に、どんな方法でするのが正しいのでしょうか?

洗い残しの多いところは・・・親指、指の間、しわ 洗い残しの多いところは・・・親指、指の間、しわ

消費者庁が全国の16~65歳の男女2,000人を対象にした手洗いに関する意識調査結果によると、
半数を超える人(52.6%)が「食事をする前に必ず手を洗う」と答えました。
一方、6~7人に1人(15.4%)が「トイレ後に手を洗わないことがある」、
そのうち半数以上が「「大」の後にも手を洗わない」と答えたそうです。
出典:「消費者の手洗い等に関する実態調査について」2015年11月

なぜ、手洗いが必要なのでしょう?見た目では汚れていないくても、手には細菌・ウイルスなどの病原微生物が付いている可能性があります。毎年、秋から冬にかけてノロウイルスを原因とする食中毒が増え、インフルエンザや風邪も流行します。病原微生物を手洗いで洗い流すことで、予防を心がけましょう。

手洗いは、感染症対策の基本! 手洗いは、感染症対策の基本!

新型インフルエンザが流行った2009年は、ノロウイルスによる食中毒患者が減少しました。その理由はいくつかあると考えられますが、この年は、多くの人がマスクやうがいとあわせて、手洗いを頻繁に行いました。
インフルエンザ対策としての手洗いの徹底が、結果的にノロウイルスの感染を抑える要因になったのではないかと専門家は指摘しています。
いつ洗えばいいの? ①外出から帰った後②トイレの後③調理の前(特に加熱しない食品に触れる前)④食事の前⑤汚れたものをさわった後

大腸菌はトイレットペーパーを何枚通過するか? 大腸菌はトイレットペーパーを何枚通過するか?

重ねたトイレットペーパーに、大腸菌を含む液体をごく少量たらし、何枚まで通過するかという実験が行われました。
結果は、36枚目でやっと菌数が0になったそうです。だからといって、トイレのたびに36枚重ねのトイレットペーパーを使うのは現実的ではありません。きちんと手洗いをするのが大事ということですね。

出典:「ふん便の特殊性と糞便汚染指標菌(大腸菌)の測定」
日本防菌防ばい学会誌.1991

正しい手洗いの方法

  1. ①水で手をぬらして
  2. ②せっけんを手にとって
  3. ③あわ立てブクブク
  4. ④手のこうをモミモミ
  5. ⑤ゆびのあいだモミモミ
  6. ⑥おやゆびクルクル
  7. ⑦手のひら・ゆびのさきゴシゴシ
  8. ⑧手くびクルクル
  9. ⑨しっかりながして
  10. ⑩きれいにふいてピッカピカ ©SALAYA CO.,LTD. ⑩きれいにふいてピッカピカ ©SALAYA CO.,LTD.

手洗いの効果を実験で検証してみました 手洗いの効果を実験で検証してみました

※ルミテスターとは キッコーマンバイオケミファ株式会社製の測定機器。見えない汚れを測定することができます。
ルミテスターでの実験結果 ルミテスターでの実験結果
結論 正しい手洗いを行うと手はきれいになり、2度洗いをするとより効果的だということがわかりました 結論 正しい手洗いを行うと手はきれいになり、2度洗いをするとより効果的だということがわかりました
アルコールをスプレーする前は手をしっかり乾かしましょう アルコールをスプレーする前は手をしっかり乾かしましょう

消毒用アルコールは、
殺菌効果が高い濃度に調整されています。
手に水が残ったままだとアルコール濃度が薄まり、殺菌効果が落ちてしまいます。
しっかり乾かしてからスプレーしましょう。

爪は定期的に切りましょう 爪は定期的に切りましょう

きれいに長く伸ばした爪はおしゃれですが、
爪が長いほど細菌数は増える傾向にあるようです。
出典:(社)日本食品衛生協会:改訂食品衛生責任者ガイドブック(2003)

洗いすぎもダメ! 洗いすぎもダメ!

これまで手洗いが大事だと言ってきましたが、実は洗い過ぎもよくありません。
私達の皮膚の表面には、常に菌が生息しています。
この皮膚常在菌がいることで、雑菌などの繁殖を抑えています。
洗いすぎると、この皮膚常在菌の力が弱まり、雑菌が増えやすくなるのです。
洗いすぎず、洗うべき時に正しい手洗いを行うことが大切です。