このアリを商品検査センターで調べた結果、「ルリアリ」である可能性が高いと考えられました。ルリアリは体長が2.0～3.5mm程度のアリで、光沢のある黒色をしていますが、腹部は光線の角度によってはルリ色（紫色を帯びた紺色）に見えることがあるため、この名がついています。

ルリアリに関するお申し出やお問い合わせは夏場に多い傾向で、そのほとんどがトイレットペーパーやティシュペーパー、キッチンペーパーなど、紙製品に集まってきたというものです。
これは、ルリアリが元々草地や枯れ枝、朽ち木中などの繊維質のもので巣を作る習性があるため、同じく植物の繊維が原料である紙製品にも巣を作るのだと考えられています。
また、一度ルリアリを駆除しても、同じ場所に再びルリアリが寄ってくることがあります。これは、アリは集団行動する際に「フェロモン」を分泌し、仲間たちに「ここが巣だよ」等の情報を伝えるのですが、この「フェロモン」がまだ残っているためと考えられます。
フェロモンの影響を消すために、アリを取り除いた後、アリが行動していた周辺を住居用洗剤等でふき取り掃除をされることをおすすめします。
なお、今のところ、ルリアリが直接人間へ危害を与えたという例は報告されていません。